秋の集中インタビュー#1 宍戸“ファイナリスト”大樹

いまや宍戸には、土井すらも頭が上がらないのか!?

土井 (大げさにビクつきながら)あ、ファイナリストの宍戸さん。お疲れさまです。
宍戸 やめてくださいよ! 座って下さい土井さん。
土井 いや、ボクなんか椅子に座らなくていいです。床で充分です。
宍戸 だ、だから土井さんやめてくださいって!
――大変ですね(笑)。今回は大活躍、おめでとうございます。
宍戸 ありがとうございました。
土井 SBを救ってくれて、ありがとうございます。
宍戸 いや、そんなこと思ってないですからホント!
――『S-cup』を振り返ってお話をお伺いしたいんですが、準決勝は気合いの入り方が凄かったですね。
宍戸 そうですね。あとからビデオで見ても、顔が違ってましたね。自分自身で。なんか降りてるっていうか、取り憑いてる感じで。…とにかく自分のペースでどんどん引き込もうっていうか、貫き通そうって思ってて。しんどいんですけど、身体は動いてたんですよ。シュートボクサーハイっていうか、ランナーズハイみたいな自然とそういう状態になってましたね。緒形さんがああいう形で負けてしまって、僕しかいなくて、相手はでかいけどやるしかなくて、いろんな条件重なってハイになるしかなくなって。
――ああいう状態になったのは初めてですか。
宍戸 オーストラリアでやったときに近い感じはありましたね。海外遠征で、応援してくれる人がいないような状態で、やるしかないみたいな。開き直った時にそういうのはあるかもしれないですね。
――バックブローとか、カニばさみとか、繰り出した技もかなり多彩でしたよね。
宍戸 頭はフル回転してましたね。自分が勝つために何すればいいのか、持てる技は全部出そうみたいな気持ちでした。夢中だったんですけど、冷静な部分もヘンにあったりして。カニばさみとか自然と出たみたいな感じで、自分でもビックリしました。あんな体重差でやることはこれからは多分ないと思うんで、いい経験でした。
――準決勝があって、決勝ではアンディ・サワーとの対決でしたね。
宍戸 森谷さんからも「お前とサワーの試合を見るのは、2、3年後かと思ってた」って言われましたね。でも、ホント普通にやってたら、僕がサワーとやるチャンスなんて2、3年後あるかないかじゃないですか。
――そうですよね。70キロになった後にチャンスが来るかどうかですもんね。
宍戸 だいたい、70キロの強い相手と誰もやってないですからね。自分の階級でさえ、名前のある選手相手に結果残してるわけじゃないですから。そういうのもあって実感わかなくて。決勝戦の前は、地に足がついてない感じも多少ありました。
――サワーは闘ってみてどうでしたか。
宍戸 ブルース選手やカテウ選手とくらべると、強さのケタが違うって感じは正直しましたね。パンチとかも、体重で言えばブルース選手とカテウ選手のほうが重いはずなんですけど、威力っていうかインパクトがもう……。あとからビデオ見てみたら、喰らった瞬間、試合中なのにビックリした顔してましたからね、僕(笑)。で、3発目くらいで正直、もう意識が半分飛んでましたね。フラフラしてて。目から火が出るって、ホントこういうこと言うんだな、って。
――あの日のサワーは、本当に強かったですよねぇ。
宍戸 なんで、うちの興行に限ってあんなに強さを発揮するんだろうって(笑)。
――これからは上のクラスを目指して、体重も増やしていくと試合後はおっしゃっていましたよね。
宍戸 そうですね。僕の65キロの階級ってちょっと中途半端なところがあって、僕自身も、これまでも判定とかで勝ったりして、気持ちにあやふやなところがあったんですけど。今回70キロ以上の選手と、多少は対等にやれて、最後は負けてしまって。あの瞬間、悔しいんですけど「コイツを次に倒してやろう」っていう、負けたんですけど、ヘンに目標が出来たうれしさみたいなのもあったんですよ。
――初のKO負けだったんですよね。
宍戸 はい。悔しかったですけど、負けたことでもっと上に行こう、頑張ろうと思いましたね。負けたことで、これくらい強い選手に勝てるように頑張ろうって、気持ちが固まったんですよね。だから、あの日から考え方も変わりましたね。
――11月の大会では、ダブルメイン登場が決定しました。
宍戸 ホント、うれしいですね。自分のスタイルを一生懸命やれば、通用しないわけじゃないかなっていう手応えは『S-cup』でつかめたんで。11月も期待に恥じない試合をしたいです。
――相手もチャンプアックということでやりがいがありますよね。
宍戸 そうですね。僕としては、今回『S-cup』に出た選手の中から相手を選んでいただけるなら……って思ってましたし。僕は次こそが勝負だと思ってるんで。今回、ああいう状態だからがんばれたんだろ? まぐれだろ? みたいに思われるのもすごく悔しいですから。周りが認めるような実力者と試合させてもらって、結果を残せれば「宍戸もやるなぁ」って感じで、認めてもらえるんじゃないかと思うんですよね。今回で肩書きも、予期してなかったことですけど準優勝者っていうのがついたわけじゃないですか。
――『S-cup』準優勝者の肩書きに恥じない試合をしなければ、と。
宍戸 そうですね。その名前以下の試合って出来ないですから、次のほうがプレッシャーかかりますよね。でも、そのプレッシャーが逆に楽しみでもありますね。