9.25後楽園大会・出場選手インタビュー♯2 土井広之

 世界ウェルター級のタイトルを返上し心機一転、出直しをはかる土井広之。自ら“崖っぷち”と語る9月25日の後楽園大会では、正道会館の大野崇と対戦する。初心に立ち返った土井は、どんな試合を見せるのか?

――今回はベルトを返上して出直しの一戦ですが、現在のの心境はいかがですか?
土井 心境は……あんまり普段と変わらないです(笑)。
――それじゃダメじゃないですか(笑)。
土井 まあ初心に還るというか。出稽古も結構行ってますね。
――そういえば会見で「出稽古嫌い」ってつっこまれてましたけど、これまで出稽古しなかったのは何か理由があったんですか? 
土井 「団体のエースたるものは」みたいな気持ちだったんですよね。「俺がわざわざ行く必要ないじゃないか」と(笑)。自分にはシーザージムという城があるんで。
――城を守る立場の人間がのこのこ出かけて教えを乞うてどうする、と。
土井 そうそう、そういうことです(笑)。
――そういう状態から、今は心機一転したわけですか。
土井 今は真っ裸の男ですから(笑)。
――真っ裸ですか(笑)。出稽古はどこに行っているんですか?
土井 小林(聡)さんのいる藤原ジムと『FIGHTING SPACE ZERO』に。小林さんも9月16日に試合があって、相手がサウスポーなんで。
――久々の出稽古の感想はいかがですか?
土井 新鮮なようで、何も変わらないっすね(笑)。
――ククククク。改めて自分の持ってる技術の確かさを確認した、と。
土井 ですね。練習じゃ強いんだけどなぁ~(笑)。
――ねぇ(笑)。今まで納得のいく試合ができなかった原因って、どこにあると思いますか?
土井 なんですかねぇ~。精神的なものでしょうね。気持ちが乗れなかったっていうか。原因が分かってたらいいんですけどね。
――去年の後藤(龍治)戦では、いい動きができてましたよね。
土井 そうそう。“絶対勝たなきゃいけない試合”では動けるんですよ。
――厳しい状況なら燃えられると。
土井 そう! じゃないとサボろうとするんで(笑)。
――ベテランのクセですかね(笑)。やっぱり惰性にならないっていうのが凄く大事なんでしょうね。
土井 それは練習でも痛感しますね。
――だいたいのことができちゃうだけに……。
土井 できちゃうからダメなんですよねぇ~。
――体調も関係はあるんですか?
土井 30歳すぎて31になったら「ガクン」ときましたね(笑)。なんか疲れがねぇ……やけに凄いんですよ。
――そんなに違うものなんですか。
土井 違いますねぇ。やずやの『雪待にんにく卵黄』飲もうかかってぐらいに(笑)。さっきHP調べちゃいましたよ。
――一通りのことをやってきたベテラン選手が、もう一段階頑張るにはどうすればいいのか、というのがテーマですよね。
土井 会長からもそれは言われましたね。「もうひと花咲かせろ」と。「お前は完成された選手だけど、もう1ステップ上がるには何をしなきゃならないか考えろ」と。
――それが土井選手の、これからのチャレンジですよね。
土井 若手の時以上に、ベテランはきつい練習をしなきゃなんないですよ。今までは、ベテランは練習しなくていいと思ってたんですけど(笑)。
――蓄積でなんとかなると(笑)。
土井 貯金で何とかなるかなって(笑)。でも、ベテランになってくると「何クソ!」っていうパワーがなくなるんですよね。練習でも。
――ああ~。
土井 スパーリングでもごまかしちゃってて。それを会長に見透かされてるんですよね。
――さすが、会長は見逃しませんね。
土井 しっかりとチェックされてますから。ただ、最近はそういう甘えがなくなってきたかなと。さすがにねぇ、ベルトも返上して今までと一緒じゃしょうがないですから。
――今回の相手は大野選手ですが、お互いシンパシーを感じているとか?
土井 そうですね。試合の感じもよく似てて。
――サウスポーのテクニック型で。
土井 同い年でもあるし。共感できるんですよね。いい試合ができると思います
――対抗戦っていう意識はありますか?
土井 ないですね。お互い看板背負ってるわけじゃないし(笑)。
――いやいやいや(笑)。
土井 まあ今回は、看板背負う以前の問題ですからね。崖っぷちっつうか、片足落ちてる状態ですから(笑)。対抗戦であろうとなかろうと、どっちにしても勝たなきゃいけないんですよ。
――大野選手は6月の大会で宍戸選手といい試合をして、判定で負けてますよね。となると、土井選手に期待されるのはKO勝ちになると思うんですが。そういう意識ってありますか?
土井 それはありますね。判定で勝つにしても大差で。
――勝ち方が大事だと。
土井 何がなんでも勝たなきゃなんないし、やっぱり圧倒的に勝ちたいですね。宍戸の高い壁になるためには、そうしないといけないでしょう。
――宍戸選手の壁になることで、SBの盛り上げに貢献したいというか。
土井 活性化になるかなと。日本人対決だし、(宍戸戦は)誰もが見たい思うんですよ。本来、対戦できないはずの選手同士が闘うっていう試合だしね。そうやって争っていけば、宍戸自身のレベルも上がって、全体の底あげにもなるんで。
――宍戸選手の成長もありますが、サワー選手ののK-1 MAX優勝も刺激になりました?
土井 そうですね。もう、試合の日はみんな練習に来ないんですよ。テレビ見てるから(笑)。で、試合の次の日のジムは凄かったですね。
――そういう効果ってあるんですね。
土井 みんな燃えてましたね(笑)。いい風が吹いてきてるなと。
――そんな風が吹く中で「自分も風に乗らないと」と。
土井 そう。崖っぷちから風に乗っていきますよ(笑)。