9.25後楽園大会・出場選手インタビュー♯3 宍戸大樹
9月25日(日)の後楽園大会で、宍戸大樹がメインイベントに登場する。『S-cup』決勝戦やダブルメイン第一試合の出場はあった宍戸だが、単独でのメインは今回が初。対戦相手のイム・チビン(韓国)は、これまで小林聡をKO、K-1 MAXでは魔裟斗に善戦し、6月には緒形健一を相手にTKO勝利を飾っている。先輩の敵討ちとSBの看板死守という大きな重圧を前に、宍戸は何を思うのか?
――次の相手がイム・チビン選手に決まりましたが、今の心境はいかがでしょう?
宍戸 緒形さんの敵討ちと、自分自身の初めてのメインなのできっちりKOしたいですね。
――緒形選手との試合を見て、どう感じました?
宍戸 勝ったイム・チビン選手が強かった、というのもあるんでしょうけど、緒形さんも本調子じゃなかったと思いますね。後輩としては悔しい試合でした。
――今までに敵討ち的なシチュエーションの試合というと……。
宍戸 『S-cup』の時がそうでしたね。
――あの試合も、緒形選手が負けたカテウ・キビス選手と準決勝で闘ったんですよね。
宍戸 その時と気持ちは似ていますね。自分が止めるしかないっていう。
――やられっぱなしじゃ終われない、という。
宍戸 このまま勝ち逃げされてるのは悔しいじゃないですか。倒して、それでさらに自分の存在をアピールできたらいいかなと。
――イム選手がこれまでやってきた試合を見ると、つかみどころがない感じがしますよね。
宍戸 K-1に出る前は、今よりも型が定まってなくて、測定不能の強さがある感じでしたね。その分やりづらそうでした。逆に今はタイ式に染まり気味でスタイルが決まってきているから、対策が立てやすいです。とはいってもかなりの実力ですし、対策うんぬんで勝てるような選手じゃないですからね。気を引き締めてかかります。
――対策は立てやすいけど、その分、実力も上がっているというか。
宍戸 魔裟斗選手を相手にダウンもせず、判定までいってますからね。かなり実力があると思います。
――ただ、イム選手には宍戸選手のスタイルがかなり有効な気がするんですよ。
宍戸 回転しながら攻撃するスタイルは有効になると思います。あくまで想像の域ですけど。でも試合になった時、向こうがスタイルを変えてくるかもしれないし。全てはリングに上がってみないとですね。噛み合う試合になるような気はしますけど。
――もう一つのテーマは“初メイン”ですね。期するものはかなり大きいんじゃないですか?
宍戸 大きいですね。やっぱり、8年間積み重ねてやっと掴んだチャンスですから。
――SB入門当時から、メインをやってみたいっていう気持ちがあったんですね。
宍戸 はい。プロになった時から、尊敬する先輩たちの領域で試合をしたくて追いかけてましたから。やっとメインのチャンスをもらえたのに、しょうもない判定試合はできないですね。もちろん負けたら論外。いい内容で試合に勝てば、自分もSBの顔としてみんなに認めてもらえるし、そんな勝ち方をしてこそ、初めて僕のSBが始まると思ってます。決してここが終着駅じゃないです。
――この試合から、もう一段階上がっていくと。
宍戸 若いと言われる年齢ではなくなってきたんですけど、自分自身はまだまだ上に上がれると信じてます。まだアラも多いし(苦笑)。会長には「お前は運が良くて勝ってきただけだ!」って言われてますしね。選手生活の中では、この試合で勝ってからのほうが重要なんじゃないかと。
――気持ちとしては「やっとここまで来た」っていうのと「さぁこれからだ」と両方ある感じですかね。
宍戸 そうですね。これからが大事です。でも……うーん、いろんな気持ちがありますねぇ。
――振り返ってみると、去年の『S-cup』で高い評価を得て、それからは強豪選手との絶対負けられない試合ばかりですよね。全然、気が休まらないんじゃないですか?
宍戸 ……そうですねぇ。
――肉体的、精神的に疲れちゃいません?
宍戸 でも、それが会長の意図だと思うんですよ。僕は追いつめられないと力を出せないっていうか、なまけちゃうから。その部分を見抜いていらっしゃるんで。だから厳しいマッチメイクをしてくれてるのかなぁ、って。誰が見ても明らかに勝てる選手をあてられても、っていうところはありますね。
――「今日は楽な試合だな」っていうのがまったくないですからね。まあ選手としては、誰が相手でも楽じゃないんでしょうけど。
宍戸 追いつめられると、やるしかなくなるじゃないですか。そういう時のほうが無心になれるし。会長が用意してくれるマッチメイクは、ほんとにありがたいです。強い選手とやるためにこの世界に入ったわけですし。追いつめられてギリギリの状態になった時に、どんな自分が出てくるか、っていうのが見たくてやってますし。
――カテウ・キビス戦の時だったと思うんですが、“シュートボクサーズ・ハイ”とでもいうべき状態になったそうですが、それも追い詰められたからこそというか。
宍戸 そうです。リングに向かう時、緊張とかまったくない、真っ白の状態で。トーナメントで「ここで絶対負けちゃダメだ」「負けたら終わりだ」って状況だったから。ギリギリの状態というか。今回もそれを味わうことになるんじゃないかなと思いますね。
――また、あれを味わってみたいと。
宍戸 そうですね。でも、会長には相変わらず、ずーっと怒られっぱなしですね(笑)。こないだは土井さんにスパーで倒されちゃいましたし(苦笑)。
――これだけレベルの高い仲間が揃う練習環境って、そうそうないでしょうからねぇ。
宍戸 こういう環境で練習できるのは、本当に感謝しなきゃいけないと思います。
――メインを張る選手を相手にダウン取っちゃうスパーリング・パートナーがいるジムって、なかなかないですよ(笑)。
宍戸 ですね(笑)。イム・チビンの得意技の左ハイで倒されたんですけど、自分の荒さを気づかせてくれる先輩たちがまだまだいてくれる環境は最高ですね。だからこの環境の中で、もっと上を目指したい、っていう若い世代の選手も出てきてほしいですね。
――石川選手は、5年くらい前の緒形選手の復帰戦が一番最初に見た試合らしいんですよ。
宍戸 ああー、そうなんですか。
――吉鷹選手を見て、じゃなくて今の世代の緒形・土井・宍戸選手を見てシュートボクシングを始めたっていう世代がこれからどんどん増えていくでしょうね。
宍戸 下の世代を育てるのは、自分たちの責任でもありますし。自分も先輩方に育てられてここまで来られたので、それぞれが受け継いだものを教えてあげたいですね。
――では、今回も若い世代に影響を与えるような試合を期待してます(笑)。
宍戸 頑張ります、はい。


