9.25後楽園大会・出場選手インタビュー#5 大野崇
――今回が2度目のシュートボクシング参戦になりますが、現在の心境はいかがですか?
大野 そんなに特別に考えず、いつもの試合のつもりで、と思ってますね。
――前回の宍戸戦は、やはりルールの違い等に戸惑った部分もあったんですか。
大野 武蔵さんにも言われたんですけど、やってきたことの半分も出せなかったです。自分でも20点くらいだと思いますね。掴まれて投げられるのを気にしないで、もっとヒザでもなんでも蹴ればよかったなと。首相撲の時も、投げのディフェンスばっかり意識しちゃったんですよね。ただ、あの試合でよかったと思うのは、自分の方向性が見つかったんですよ。今までいろんなことをやってきたんですけど、“こういう方向で行けばいいんだな”というのが分かったんで。そういう意味では勉強になりましたね。
――その方向性というのは、具体的にいうと……。
大野 それは試合前なんで内緒です(笑)。まあ、シンプルに“こうやればいいんだ”というのが見えてきた感じですね。
――しかし、ここにきて方向性が見えたというのは意外ですね。大野選手といえばテクニックがあって、完成された巧い選手というイメージがありましたから。
大野 迷いはいつもあったんですよ。結構なんでもできちゃうタイプだったんで、逆に“何をすればいいのか”って迷ってしまったり。まあ、器用貧乏ですよね(笑)。
――それが今では、やるべきことが定まってきたと。
大野 そうですね。
――となると今回の土井戦では、前回とも違うし、それ以前の大野選手とも違う、進化した姿が見られそうですね。
大野 試合なんでどうなるか分からないですけど、かなり完成形に近いものが見せられると思います。少なくとも練習ではそれができてるんで。
――今回の対戦相手、土井選手にはどんな印象がありますか?
大野 やっぱりキラーローですね。土井広之イコール、キラーローっていう。
――特に印象に残っている試合はありますか?
大野 (マルフィオ・)カノレッティ戦ですね。自分がカノレッティと試合する前に見て。あの試合でも、かなりローを効かせてましたからね。
――同じサウスポーのテクニシャンタイプとして、土井選手のスタイルを研究したこともあったみたいですね。
大野 そうですね。カノレッティ戦にしても、土井選手と自分を重ねて見てた感じで。
――ああ、カノレッティ選手の動きを見るだけじゃなく……。
大野 土井選手を見て、“ああ、こうすれば効くんだな”と。そっちの方も見てましたね(笑)。
――そういう似た者同士のお二人だけに(笑)、噛み合った試合になりそうですよね。パワーでゴリゴリ押してくる相手より、技術の攻防ができる闘いの方がお互いの個性が活きるんじゃないかと。
大野 じゃあ、ボクはパワーでゴリゴリ押していきますよ(笑)。
――相手の嫌なことをやっていこうと(笑)。
大野 まあ、やろうとしたってできないですけどね(笑)。それじゃあ勝ったとしてもつまんないんで。やっぱり、自分が好きで格闘技やってるんですからね。勝つためには正しいとしても、“パンチをガードして、ひたすらロー”みたいな試合をやるのはちょっと。自分がやってて楽しい試合をするのが一番ですね。
――お客さんを沸かせる前に、まず自分が楽しみたいと。
大野 自分が楽しけりゃいいんですよ(笑)。で、自分がやってて面白ければ、それがお客さんにとっても面白いと思うんですよね。結局、噛み合っていい試合になるわけですから。
――やはり試合の軸は、キラーロー対策になりそうですか。
大野 というより、新しい自分の闘い方が出せれば、それが自然とキラーロー対策になると思います。ディフェンスばっかり気にするんじゃなくて、自分のいいところを出していこうと。
――前回は「スパッツを作るお金がないのでトランクスで出ます」という発言がありましたが(笑)、今回のコスチュームはどうなりそうですか?
大野 それは当日のお楽しみということで。でもシュートボクシングっていう競技のユニフォームは、スパッツですからね。野球の試合やる時に「オレはK-1ファイターだから」ってトランクスで野球やる人間はいないじゃないですか。
――確かに(笑)。その辺は当日を楽しみにしてます。それから、大野選手の今後のテーマなんですけども。やはりこの試合に勝ってMAX再出場につなげたいという感じですか?
大野 MAXはもちろんなんですけど、『S-cup』も出たいですね。アンディ・サワーと試合してみたいですし。今回いい形で勝てば、それも近づくんじゃないかなと。サワーはMAXと『S-cup』の二冠王ですからね。どっちか一つ勝つだけでも大変なのに、両方勝ってる。事実上、中量級の世界最強に最も近い選手じゃないですか。そういう選手とやってみたいですよね。
――『S-cup』でサワー選手に勝てば、同時にMAX王者にも勝ったことになるという。
大野 というより、サワーはアウェーであるMAXで優勝してますよね。だからサワーには、シュートボクシングのリングで勝たないと、本当の意味で勝ったことにはならないんじゃないかなと。それが本当に価値のあることだと思います。
――そのためにも、まずは今回の土井戦でいい勝ち方をする、と。
大野 ですね。で、そうなるためには、自分がやってて面白い試合をしたいですね。土井選手には「お互い楽しんで試合をしましょう」と(笑)。


