2.9後楽園大会 注目選手インタビュー3 緒形健一

――去年最後の試合、ホセイン戦は本当に凄いKOでしたね。
「いや、でもあの勝ち方では満足はできないですね。結果的にKOにはなりましたけど、自分が納得する動きができなかったんで」
――それは具体的にいうとどんな部分なんですか?
「去年の試合は全体的にそうだったんですけど、なんか見ちゃってるんですよ」
――後手に回ってしまっていると。
「だから今年は、初心に戻って最初から飛ばしていこうと思ってますね。ベテランの闘い方ってあるじゃないですか。それに逆行しようかと(笑)」
――あえて落ち着かずに(笑)。
「ガムシャラっていうんじゃないですけど、いく時には一気にいけるスタイルを思い出そうと。最近はキャリアを積んだ分だけ落ち着きすぎちゃってたと思うんですよ。でも、それじゃ格闘技はダメだなと。本能むき出しの部分がないと」
――やっぱり、そういうスタイルが緒形さんには合ってるんでしょうね。
「僕は“倒してナンボ”だって前から言ってきたし、去年はペースを先に取られた試合が多かったんで。今年は自分が先にいこうと。だったら、もし万が一アクシデントで終わったとしても、少しは納得できると思うんですよ」
――“やることはやったんだ”と。
「なんにもしないで終わっちゃったら歯がゆいというか……それで現役が終わったら死んでも死に切れないですからね」
――今大会の相手は、ブラジルのジョニー・エドゥアルド選手です。ブラジル人との対戦というと、2年前のS-cup、カテウ・キビス戦以来ですね。まあリベンジというわけではないにしても、ブラジル人というのは意識しますか?
「それはよく言われるんですよ。確かに、キビス戦で負けてから歯車が狂ってしまったんですよね。直接的なリベンジではないんですけど、同じジムだし“この野郎”って気持ちはあります。相手はパンチでくる選手らしいんで、打ち合いになるんじゃないですか」
――そこで2年前のリベンジというか、ある意味で清算を。
「前回みたいな過ちをしないためにも、キッチリ倒したいですね」
――緒形さんはマセロ・アグアというブラジル人選手とも対戦経験がありますが、ブラジリアン特有の強さとか、印象はありますか?
「総合の選手って独特のリズムとかタイミングがあるんですよね。力強いですし」
――パンチや蹴りの出し方も独特ですよね。
「はっきり言っちゃえばヘタクソなんですけど、ヘタだから分かりにくいんですよ(笑)。あれはあれで一種の武器でしょうね。セオリーにないんで。でも、もうそれは予測がついてますから。ポカだけしないように」
――それから、今年はS-cupもありますよね。日本代表争いも大きなテーマになると思います。
「そこに関しては、もう火ぶたが切って落とされてますよね。毎試合というか、毎日の練習から勝負だと思ってます。前回、シュートボクシングを13年やってきてようやく掴んだチャンスが1分30秒で終わっちゃいましたから。自分もふがいなかったし、応援してくれた人たちに本当に申し訳なかったんですよ。じゃあどうしたらいいかっていったら、もう一回出て勝つしかないですよね」
――出場権をめぐっては、宍戸選手が最大のライバルということになりますよね。
「もちろん、試合を比較されるだろうと思います。それも含めて、今年は結果で示していこうと思ってます。今年はS-cupまでに5大会あると思うんですけど、全部出ようかなと」
――全興行に出ますか!
「僕の場合は、試合に出た方が調子いいんですよ。気が張ってないとダメなんで。ましてやS-cupという目標がありますから。それに対するハードルだと思ってやっていこうと思ってます」
――連戦するとなると、ケガとかは不安じゃないんですか?
「まあ、僕はケガが多いんですけど、それでも試合を続けられてるじゃないですか。だから最近は“オレって実は丈夫なんじゃないか”と思ってるんですよ(笑)。これだけケガしたら、他の選手だったらやめちゃってるかもしれないですからね」
――意外としぶといぞと(笑)。
「だから今年は出られる試合は全部出て、全勝でS-cupに乗り込みます」