7.7後楽園大会直前インタビュー#2 進化した緒形がメインに燃える!

――試合に向けての練習を見させていただいたんですが、タイ人トレーナー・ダムさんとのミット打ちが凄まじいことになってましたね。
「ほんっとにキツいですね。疲れがたまってしょうがないです」
――ちょっとでもスキを見せたら、ミットで打ち返してきますからね。
「試合やってるみたいなもんですよ。またダムさんの攻撃が効くんですよ(笑)。ガードの上からもらっても目がチカチカしますから。全然気が抜けない」
――そういう練習をしていることで、何か変化は出てきましたか?
「やっぱりタイ人なんで、蹴りを多用させるんですよね。特にミドルが多くて、自分の攻撃スタイルが少し変わってきたかなって感じはあります」
――倒しにいくけれども、パンチ一辺倒ではなくなったというか。
「まあ前回はダメだったんですけどね(笑)。ミドルは、スパーだと倒せる武器なんですよ。それが試合だとパンチで倒そうとしすぎちゃってるんですよね。今度は試合で出せそうなんで、練習をやってても楽しいですね」
――じゃあ緒形さんが試合でミドルをうまく蹴ってたら、落ち着いて試合をやっている証拠というか。
「それはあると思いますね」
――ただ緒形さんがダメだったという前回の試合も、見ている側はとてつもなく興奮したんですよ。あんな凄い逆転KOはめったにないですから。
「ただ、もらわなくていいものをもらっちゃったというのは反省ですね。あの時は会場に会長がいなかったっていうのもあって“なんとかしなくちゃ”っていう気持ちが先走っちゃったんですよ。どうしても、いきすぎて周りが見えなくなっちゃうんですよね。もっと腹とか足を効かせてからパンチでいけばいいんですけど、気持ちが抑えられなくて」
――そのおかげで興行の悪い流れも断ち切ったし、お客さんも盛り上がったんですけどね。
「まあ、あれは半分ケンカでしたね(笑)。2回目のダウンで足もしびれて“オレは肝心な時になにをやってんだ”って。そこからは完全にキレてました。久々にキレましたよ」
――いざ攻勢に回った時の緒形さんっていうのは、本当に迫力がありますよね。
「自分が持ってるものを出さないままに負けることほど後悔が残ることはないですからね。今年の初めに立てた目標が“待たずにいく”ってことだったんですよ。ただ練習でやってる“いく”っていうのは、ああいうのではないんですよね」
―もっと蹴りも使って、相手をしっかり見ながらいくというか。
「それが練習ではできてるんですけどね。試合では10%、20%しか出せてないんで」
――そういう意味では、ダムさんとの練習で蹴りを多用しているのはいい効果が期待できそうですね。
「蹴りを使うことで、いい意味でのブレーキがかかるんですよね」
――今回の相手であるディアスは、KOTCのライト級タイトルも獲得した総合ファイター。しかも打撃を得意とする選手らしいですね。
「まともな打撃もできるし、その中で総合の間合いを使ってくると思います。総合の選手との試合は何回も経験してるんで想像はつきますね。ただ、それを意識しすぎてもポカをしちゃうんで、いろんなパターンを想定して、体が自然に動くようにしておきたいですね」
――今回は久々のメインになりますが、気持ちとしてはいかがですか?
「やっぱりプレッシャーはありますね。今回も相手のデータは少ないんですけど、何があろうと勝って前に進むしかないんで。最近、格闘技が面白くなってきてるんですよ。前は責任感ばっかり感じてたんですけど、今は自分を強くする、最強の自分を作るっていうことにも意識が向いてきて」
――自分が強くなっていくのが楽しい、と。ある意味で原点ですよね。
「自分のピークを引き上げるっていうんですかね。“ああ、まだまだ強くなれてるな”って感覚があるんで楽しいんですよ。一番調子がよかったのって22、3歳の頃で、その後はケガをしたり、年齢的なものもあって動きが戻ってなかったんですけど、最近になってその壁を壊せた感じがするんですよ」
――それは“まだまだ体力が衰えてないな”という感じなんですか? それとも“若くないなりの闘い方のコツがつかめてきた”ということなのか。
「どっちもですね。持久力に関していえば、今の方が確実にありますし。練習は前より全然できてるんですよ。若い時はここまで追い込めなかったですからね。それにプラスして、いろいろ経験して分かってきたこともありますし。ここまで期待を裏切り続けてきたんで、最後は笑って終わりたいですね」
――今回は宍戸選手が出場しないわけですが、その中でのメインということで『S-cup』を巡っての間接的な闘いという意味もありますよね。
「間違いなく比較されるでしょうね。その評価というのは次の大会の試合順に表れると思います。そういう面でも、よりいいものを見せたい、負けたくないっていう気持ちはありますね」
――メインというのはプレッシャーと同時にやりがいもあるわけで、メインの重責を“背負わなくちゃいけない”のではなく“背負いたいんだ”という。
「今はそっちの方が大きいですね。前は全体のことを考えて“下の選手に早く出てきてほしい”とか考えてたんですけど、いざ抜かれてみると(笑)、人間っていうのは違う感情が出てくるもんですね」
――そこでほっとするのかと思ったら……。
「“アレッ!?”ていう(笑)。やっぱり自分がメインじゃないのは悔しいというか“負けてられるか”っていう。そういう気持ちがないと、やってらんないですよね」
――やっぱりファイターは悔しさとか負けん気がないといけないですよね。
「大人になりきれてないって感じですけど(笑)。男ですからね、やっぱり。単純に“アイツに負けたくない”っていう、自分の根本から出てくる気持ちには正直でありたいですね」