NEO ΟΡΘΡΟΖ Series Final :えなりのりゆきインタビュー
“えなりのりゆき”改名後、4連勝!――今年の3月大会で本名から“えなりのりゆき”に改名して以来、4連勝と絶好調ですね。改名はJ Sportsの番組『シーザー魂』がきっかけでしたよね? えなりかずきに似てるってことで。
「そうです、その流れで。最初は冗談だと思って流そうと思ってたんですけど、会長が『“ENARI”ってローマ字がいいんじゃないか。いやカタカナかな』って」
――すっかりその気になって(笑)。
「(広報の)森谷さんがフォローしてくれるのかなと思ったんですけど、それもなくて(笑)。もう、そこまでいっちゃったらやるしかないなと」
――スパッツに『幸楽』って入れたり、ポロシャツを第一ボタンまでしめて裾は“中入れ”とかディテールも凝ってますよ。
「周りにされるがままだったんですけどね(笑)。でも、やるからにはそこまでやんなきゃって。その頃、負けが込んでたんで、ちょうどいい気持ちの切り替えっていうか、ここで生まれ変わろうと」
――実際、改名してから調子がいいですけど、それは気持ちの部分が大きかったわけですね。
「そうですね。吹っ切れたっていうか。あのテーマ曲(渡る世間は鬼ばかり)も、聞くと落ち着くんですよ」
――渡鬼のテーマで落ち着きますか(笑)。
「周りが見えるっていうんですかね。それまでは入場になると入れ込みすぎちゃってたんですけど。そうなると、試合の運び方も前よりはちょっとずつ分かってきた感じで」
――前は固さがあったんですね。
「変に体が動かなかったんですけど、今は動けるようになってきました。あとはトレーナーのダムさんとの出会いが大きかったです。考え方をガラッと変えてくれたっていうか。“ああ、こんなふうに闘えばいいんだ”っていう」
――意識の変化があったと。
「それまでは甘かったんだなっていうのに気付きましたね。ミットにしても緊張感があって実戦的なんですよね。基礎体力の練習、ダッシュとかランニングも嫌っていうほどやりようになりましたし」
――その効果が試合に出てるわけですね。
「そうなると、試合をするのが楽しくなってくるんですよ。負けが込んでた頃は試合が嫌だったんですけど、今はリングに上がるのが待ち遠しいっていうか」
――“負けたらどうしよう”みたいなマイナス思考がなくなったんですかね。
「今もそれがないわけじゃないんですけど、それよりも“今度は何をやってやろう”っていう感じが強いです」
――それはかなりの変化ですよねぇ。今回の試合も、かなり期待できそうですね。
「勝つのは当たり前って考えてるんで、あとは内容ですね。KOで勝つっていう。去年、ジムの忘年会で挨拶をさせてもらった時、『来年は全勝します』って言ったんで、それもかかってますし」
――このまま勝っていくと、タイトルも見えてくるんじゃないですか。森谷さんが引退して、スーパーバンタムのタイトルは空位になってますし。
「やっぱり、プロになって最大の目標はベルトなんで。いつも森谷さんのベルトをうらやましそうな目で見てましたから」
――“あの野郎、試合もしないくせに”って(笑)。
「いやいや(笑)。今、タイトルに向けてちょっとずつですけど前に進めてるんで、早いうちに取りたいなって思いますね」
――会長や森谷さんからは何か言われてますか?
「会長からは“次はお前が取らないとな”と言われました。森谷さんも“お前にしか渡したくない”って。そこまで言ってもらってるんで、これは取らないといけないなって思います」
――えなり選手自身としては、こうなったらタイトルを取れるっていう目安みたいなものはありますか。
「やっぱりKOですね。まだKO勝ちがないんで、そこは修行だなと。日本人相手だったらKOで勝てるっていうレベルになったら、ベルトを巻く資格があるんじゃないかって」
――それは前チャンピオンに対するイヤミでもあるわけですよね(笑)。
「いやいやいや(笑)」
――今回の大会は緒形、土井というベテラン勢が出ないですよね。その辺りで何か考えてることはありますか。
「僕の試合はエキスパートクラスの最初に組まれると思うんで、そこで盛り上げられたらなって思います。興行の“掴み”っていうか」
――今、協会の職員もされてますけど、そもそも入門のきっかけは何だったんですか?
「前から格闘技は好きだったんですよ。K-1が大好きで佐竹選手のファンで。それで高校に入ったら正道会館に入門しようと思ってたんですけど、友達がシーザージムに入ってて。僕も一日体験入門したら、シーザー会長直々に教えてもらって、そこからですね」
――まだジムが白山にある時代ですよね。
「そうです。最初はプロになるつもりなんてなかったんですけど、アマチュアの試合に出て、負けて悔しくてまた試合に出てって繰り返してるうちに。家が入谷なんで、ジムが浅草に引っ越したのもありましたし」
――さらに通いやすくなったと。
「そこから、ジムの仕事をお手伝いするようになって、気がついたら職員になってました」
――協会の職員になって、気持ちの面でも変化はありました?
「それは凄くありますね。生活が格闘技中心になりましたし、全ての行動がシュートボクシングのためっていう。そこは大きかったです」
――面白いもんですね。K-1好き、佐竹ファンから、気付いたらシュートボクシング協会の職員ですもんね。
「しかも、気付いたら“えなり”ですから。ただですね……最近、会長に“お前、よく見たら全然えなりに似てないな”って言われまして(笑)」
――いやいや、このまま“えなり”道を邁進してくさだい。チャンピオンになってもリングネームを変えないようにお願いします(笑)。


