サワー、まさかのダウン! 10.28『GROUND ZERO』詳報

まさかの大苦戦も、最後は勝利をもぎ取ったサワー

各試合の試合写真ダイジェストはこちら

10月28日、両国国技館にて、シュートボクシング今年最大のイベント『SHOOT BOXING BATTLE SUMMIT GROUND ZERO TOKYO 2007』が開催された。シュートボクサーはもちろん総合ファイターなど様々な選手が参戦したこの大会は、下馬評を覆す波乱が続出。
SB初参戦となるDEEPライト級王者の横田一則は、“独眼スパイダー”ファディル・シャバリと対戦。打撃が“本職”であるシャバリに一日の長があると思われたが、横田は得意の投げに徹底的にこだわり、3Rにシュートポイントを獲得して判定勝利。2月大会で緒形健一をKOしたムエタイ王者ビッグベン・ケーサージムに挑んだ宍戸大樹も、大物相手に真っ向からの勝負を展開。1Rは豪快なパンチとローに苦しんだが、スピーディな攻撃で徐々にペースを奪うと、2Rに完璧なバックキックがヒット。これで動きの止まったビッグベンは組み付いてのヒザ、投げを狙うが、さらにスタミナを消耗してしまう。3Rは完全に宍戸優位の展開となり、判定も3-0。大金星を挙げた宍戸は、完全にスランプを脱したといっていいだろう。
アマチュア時代を過ごした“故郷”SBに里帰り参戦を果たした桜井“マッハ”速人は、ヤニ・ラックスを相手にパンチ連打でダウンを奪って判定ながら快勝。シュートポイントこそ奪えなかったものの投げを狙い、さらにサンボの技であるビクトル投げを仕掛けるなど、らしい攻撃で会場を沸かせた。
セミファイナルでは、緒形健一がブライアン・ロアニューと対戦。アルバート・クラウスの欠場によって大会前日にカード変更となったこの一戦、まずは緒形がローキックを何発も決め、コーナーでパンチ連打を仕掛けるなどペースを奪う。だが2Rに入るとロアニューも反撃を開始。パワフルなパンチとローで突進し、さらにヒザ蹴りを繰り出すと、これがヒットして緒形がまさかのダウン。追撃の手を休めないロアニューは、立ち上がった緒形に右フックを決め、2度目のダウンを奪う。そのまま緒形は立ち上がることができず、悪夢のKO負けという結果に。
緒形の敗戦に騒然となった場内を、さらに驚かせたのがメインイベント。アンディ・サワーVSアンディ・オロゴンの“アンディ対決”だ。K-1 MAXで2度目の優勝を果たしたばかりのサワーに対し、“最強の素人”オロゴンは臆することなくアグレッシブに攻撃。なんと1Rに右ストレートでダウンを奪ってみせる。さらにオロゴンは攻撃を続け、左フックを決めるとサワーが転倒。これはスリップとレフェリーが判断したが、明らかにオロゴンが優勢。緒形に続きサワーまでも……。場内は異様な雰囲気に包まれる。
だが、サワーはここから反撃を開始。パンチ、ロー、ヒザと多彩な攻撃でダメージを与え、2Rにはシュートポイントを獲得。さらに連打を加え、ヒザ連打からの右フックでダウンを奪い返す。最終3Rも必死の反撃を試みるオロゴンを封じ込め、判定勝ちをもぎ取った。
なんとかビッグマッチのメインを締め括ったサワーだが、シーザー武志会長が大会後に選出したMVPはオロゴン。サワーの強さとともに、オロゴンが高いポテンシャルを印象づける大会となった。

■サワーのコメント
「1Rはよくなかったね。2、3Rはよかったけど、満足はしてないよ。ダウンを取られたしね。まだ試合が終わったばかりだから、気持ちをうまく説明できないな。試合間隔は、やっぱり短かったね。メンタル的にもフィジカル的にも厳しかった。これをいい教訓にするよ。オロゴンは、1Rは凄くよかったと思う。ハートが強いね。ライオンハートだよ。(ダウンは)1回目はダメージがあったね。2度目のスリップダウンは、圧力で押されただけだよ。正直、ダウンを取られてビビッたね。去年の『S-cup』では負けてるし、もうこの会場では試合したくないな(苦笑)。大晦日? 今は休んで、11月の試合に備えたいね。考えるのはそれからだよ」

■オロゴンのコメント
「負けは負けです。判定に納得してない部分はあるけど、それを言うと自分が小さくなるから…。2回目のダウンは、レフェリーから見たらダウンじゃないってことでしょう。いい試合はしたけど、なかなか勝てない。帰ってから泣きますよ。サワー選手は、さすがチャンピオン。強かったです。これから、もっともっと上を目指していきます」

■シーザー武志会長の大会総括
「3Rはシュートボクシングとしては短かったかな。でもキック系じゃなく、総合系の選手が交わると、新しい展開が生まれるね。今日はオロゴンが素晴らしかった。サワーは少しナメてたんじゃないかな。スリップダウンも、ボクシングだったらダウンだよ。今回はサワーの不覚だね。あの試合があって盛り上がったから、オロゴンには感謝したい。MVPはオロゴンだね。
緒形の負けは、クラウスが出ないことで、試合前から気持ちが切れてたね。ビッグベンも、宍戸をナメてたんじゃない? 息が上がってたからね。SBに対応するのに、スタミナを使ったんだろうね。延長で決着をつけた方がいいと思ったけど。ビッグベンが投げを狙ったのは、驚いた半面、嬉しかったよ。
桜井が出てきてくれたのも嬉しいね。ただ、立ち技だけで疲れたんじゃないかな。でも、大きな試合をいっぱい経験してるから、決めるところは決めるんだよね。村浜は、一番いい頃の我慢、粘りがなくなってた。石川もそんなによくはなかったんだけど、コンスタントに試合をしてる分(パンチが)当たったんだろうね。今年は、11月のオランダと、12月23日に大阪で大会をやります。来年は『S-cup』もやらなきゃいけない。若い選手を盛り上げて、新しい時代を作っていきたいね」

〈RESULTS〉
本戦第9試合/エキスパートクラス特別ルール(3分×3R・延長無制限ラウンド)
○アンディ・サワー(Team Souwer)VSアンディ・オロゴン(チーム・オロゴン)×
※判定3-0。サワーは1Rに右ストレートでダウン。オロゴンは2Rに右フックでダウン。サワーは2Rに腰投げでシュートポイント1獲得

本戦第8試合/エキスパートクラス特別ルール(3分×3R・延長無制限ラウンド)
○ブライアン・ロアニュー(レッドデビル/スラム)VS緒形健一(シーザージム)×
※2R0分44秒、KO(右フック)

本戦第7試合/エキスパートクラス特別ルール(3分×3R・延長無制限ラウンド)
○桜井“マッハ”速人(マッハ道場)VSヤニ・ラックス(チーム・スカンジナビアン)×
※判定3-0。ラックスは2Rにパンチ連打でダウン

本戦第6試合/エキスパートクラス特別ルール(3分×3R・延長無制限ラウンド)
○宍戸大樹(シーザージム)VSビッグベン・ケーサージム(ケーサージム)×
※判定3-0

本戦第5試合/エキスパートクラス特別ルール(3分×3R・延長無制限ラウンド)
○ギルバート・アイブル(ボスジム)VS桜木裕司(掣圏会館)×
※1R1分48秒、TKO(3ノックダウン)

本戦第4試合/エキスパートクラス特別ルール(3分×3R・延長無制限ラウンド)
○横田一則(GRABAKA)VSファディル・シャバリ(Team Souwer)×
※判定3-0。横田は3Rに腰投げでシュートポイント1獲得

本戦第3試合/エキスパートクラス特別ルール(3分×3R・延長無制限ラウンド)
○マルコ・ピケ(Team Souwer)VS大野崇(Unit-K)×
※判定3-0。大野は1Rに左フックでダウン

本戦第2試合/エキスパートクラス特別ルール(3分×3R・延長無制限ラウンド)
○及川知浩(及川道場)VS阿部裕幸(AACC)×
※3R1分06秒、TKO(レフェリーストップ)

本戦第1試合/エキスパートクラス特別ルール(3分×3R・延長無制限ラウンド)
○石川剛司(シーザージム)VS村浜武洋(大阪ファイティングファクトリー)×
※判定3-0。村浜は2Rに左ストレートでダウン

オープニングマッチ第3試合/エキスパートクラス特別ルール(3分×3R・延長無制限ラウンド)
○歌川暁文(U.W.F.スネークピットジャパン)VS杉田一朗(心温塾/チームZST)×
※1R1分04秒、TKO(鼻骨骨折の疑いによりドクターストップ)

オープニングマッチ第2試合/フレッシュマンクラスルール(3分×3R・延長2ラウンド)
○中島弘貴(シュートボクセアカデミージャパン)VS塚本拓生(グラップリングシュートボクサーズ)×
※2R0分30秒、TKO(セコンドのタオル投入)

オープニングマッチ第1試合/フレッシュマンクラスルール(3分×3R・延長2ラウンド)
○ファントム進也(龍生塾)VS鈴木友則(湘南ジム)×
※2R0分45秒、KO(右ローキック)