The age of "S" Vol.4 at 後楽園ホール 2002.9.22

第10試合

勝者:アンディー・サワー(リンホージム) 5R判定 (2-0)

「S-CUPチャンピオンとやらせてくれっ!!」後藤の切実な叫びに、シーザー会長が動いた。

大きな期待を背負って臨んだS-CUP。『立ち技世界最強』の座を賭けて行われたこのトーナメントには、その名にふさわしく世界の強豪が名を連ねた。
後藤は1回戦でオーストラリアの強豪ダニエルドーソンと対戦し、まさかの敗退。誰もが予想だにしなかった結果に、会場は重苦しい雰囲気に包まれたが、後藤はあの日噛みしめた屈辱をバネに、再び這い上がって来た。

どうしてもおさまりのつかない後藤は、S-CUP後の記者会見の最中に、シーザー会長にサワーとの対戦を直訴するという行動に出た。これに対し、サワー戦実現のための条件としてシーザー会長が提示した条件は、常軌を逸したものだった。30Rノンストップのスパーリングである。
しかもシーザー会長自らが用意した選手達とのスパーリングであり、内容が伴わない場合、サワーとの対戦は却下という厳しいものだった。あらゆる分野から第一人者を集めて行われたスパーリングで、後藤は今回の直訴が決して軽い思いつきでは無い事を、自らの拳で証明してみせた。

試合は後藤の左インロー2連発で幕を開けた。
不退転の決意でこの日を迎えた後藤に対し、若きS-CUP王者サワーは、鋭い左右のパンチのラッシュで『立ち技世界最強』の座を手にした者の実力の片鱗をチラつかせる。後藤は、ヒザを良い角度でサワーのボディーに突き刺して距離をとってから、右ハイをサワーのコメカミにヒットさせ、一気に倒しにかかる。
しかし何とサワーは、この攻撃に対して笑顔を浮かべながらハイをお返しするという、S-CUPの時とはまた違った、『怖いサワー』出現を予感させた。

2ラウンドも激しい打ち合いになったが、後藤は左ミドルを巧みに織り交ぜて距離を保ちながら的確にパンチを当てて行くが、サワーも得意の左レバブローを後藤に叩き込み、徐々にダメージを奪っていく。

後藤のヒザがサワーの急所に入ってしまうというアクシンデトがあったが、程なくして試合は再開。後藤は2度に渡って首投げを放つが、シュートポイント獲得はならず。

中盤も激しい乱打戦が続くが、サワーのパンチが後藤の顔面を徐々に捉え始め、後藤は足が止まりがちに。3ラウンド終了間際、後藤は再度首投げを放つがこれもシュートポイント獲得はならず。

何とか距離を保ちたい後藤であったが、サワーは距離をつめて細かいパンチをコツコツと後藤の顔面にヒットさせ、後藤の意識が上に集中したところに重いローを叩き込んで来る。後藤の放つローも確実にサワーにダメージを与えており、『我慢比べ』の展開に。後藤は更にバックブロー等、変則的な攻撃を織り交ぜて行くが、サワーに決定的なダメージを与えるまでには至らず。

最終ラウンド、共に後の無い2人は激しい打撃戦に。
一瞬の隙をついて放った後藤の首投げが今度は見事に極まり、この試合初のシュートポイント獲得する。
しかし両者今一歩の所で決定打に欠き、勝敗の行方は判定に。

判定は2-1という僅差で、サワーが勝利したが、「後藤が勝っていた」という会場の声も少なくなかった。

いかにこの試合が白熱したものであったかの証明とも言える会場の声に、シュートボクシングの存亡を賭けて、2人のサムライがマイクを握った。
「会長、この借りは元はと言えば自分が作ったもの。やらせてください」と土井広之が雄叫びを挙げれば、「土井はまだ足が本調子ではない。シュートボクシングの借りは自分が返します。会長、自分とやらせてください」と緒方健一が『サワー狩り』に名乗りを上げた。

「全ての者にチャンスを与えたい」常日頃からそう考えているシーザー会長に、苦渋の決断の時が訪れる。

「土井はまだ足の負傷が回復していない。みなさん、緒方とサワーをやらせてやっていいでしょうか。」会場は、『シュートボクシング最後の砦』の出陣に割れんばかりの声援だ。

次回、シュートボクシングの威信を懸けて、ついに緒方健一が帰って来る。

第9試合 [Sフェザー級タイトルマッチ]

勝者:及川 知浩(龍生塾) 5R1分31秒 KO

 

シュートボクシング「西のエース」と言われる前田と、急成長著しい及川の一戦は、戦慄の幕切れとなった。

序盤からスピーディーな展開で、会場中が固唾を飲んで見守る中、ワンツーローで確実に当てに来る及川に対して、前田はバックブローやインロー等を駆使して反撃して行く。しかし首投げに行った所を、逆に及川に背面投げを極められてしまい、試合は徐々に及川ペースに。構えを左右スイッチさせながら、右フック、左ハイでたたみかけて来る及川に対して、前田はインローからの右アッパー、さらに左フックをたたき込み、4R及川からダウンを奪う事に成功する。しかし最終ラウンド、ショートアッパーからワンツーと勝負に出た前田に対して、及川の、ワンツーローからの左パンチが見事に前田のアゴを捉え、前田は前のめりにダウン。前田は起きあがる事が出来ず、ベルトは及川の腰に巻かれた。

第8試合[Sバンタム級タイトルマッチ]

勝者:森谷 吉博(シーザージム) 5R判定 (3-0)

前回の借りを返したい森谷と、前回の勝利が決してフロックではない事を証明したい市政のリマッチは、スーパーバンタム級のタイトルを賭けて行われた。

前へ前へと突進して来る市政に対して、森谷は冷静かつ的確な攻撃で対処して行く。左のミドル、インローで市政の意識を下半身に向けさせながら、アッパーで確実にダメージを奪い、距離を詰めて来た所に容赦無くヒジを叩き込んで行く。左のレバーブロー、左右のローが徐々に効き始め、市政は中盤から動きが止まり、防戦を余儀無くされた。終盤、激しい打撃戦が続く展開となるが、パンチの正確さに勝る森谷は、市政の反撃を許さず、左レバーから右ハイでさらに追い打ちをかける。

勝敗の行方は判定に持ち越されたが、森谷がキャリアの違いを見せつける結果となり、タイトル防衛に成功した。

第7試合

勝者:宍戸 大樹(シーザージム) 5R判定 (3-0)

左右のパンチにローというコンビネーションで、宍戸にプレッシャーをかけるベンフキー。中々自分の間合いに入る事が出来なかった宍戸であったが、ベンフキーの蹴り足を積むと、そのまま抱え上げての前面投げを見事に極め、シュートポイント獲得に成功する。
右ロー、縦に振り下ろすヒジで反撃を試みるベンフキーに対し、宍戸は、2Rにも鮮やかな前面投げからシュートポイントを奪う。その後は的確にヒジをたたき込み、ベンフキーのプレッシャーを巧みにかわしながら、最終ラウンドにも首投げを極め、試合は大差で宍戸がものにした。

第6試合 [現役引退スペシャルマッチ]

勝者:平 直之(ストライプル) 2R TKO (セコンドのタオル投入により)

『元祖マルチファイター』、『伝説の格闘家』平の引退試合は、その名に恥じぬ華麗な一戦となった。10年前と同じタイツ、同じ体重で試合に臨んだ平の姿に、古巣への想い、そしてこの試合に対する真摯な姿勢が伺える。バックブロー、浴びせ蹴り、更に2度に渡って極めた背面投げ等、序盤から華麗な技術の連続で、会場は瞬く間に「平ワールド」に染まって行く。2Rに入り、ローと前蹴りで何とか活路を見出したいネストーであったが、平は蹴り足をキャッチし、すかさず足払い。するとネストーは足を捻ったような仕草をしながら、自軍のコーナーに引き返してしまい、ここでレフェリーはダウンを宣告。

再会早々、何と平は場外への背面投げを極め、深いダメージを負ったネストーを見て、試合続行は不可能と判断したセコンドがタオルを投入。平は有終の美を飾る事となった。

試合後、万感の思いで抱き合い、涙を流す師弟の姿に、会場中から惜しみない拍手が贈られた。

第5試合

勝者:ホセイン・キャリミラード(湘南ジム) 4R 2分31秒 KO チョークスリーパー

互いに相手の出方を窺う、静かな展開でスタートしたこの一戦であったが、3R、ホセインがフロントチョークでキャッチポイントを獲得した辺りから、試合は熱を帯びた展開となった。左ミドル、右フックで打開を計る関本に対し、ホセインはその都度巧みに距離を殺し、それ以上の隙を決して与えようとはしない。4R、僅かな隙をついて関本の背後に回ったホセインがそのままチョークを極め、試合はレフェリーストップでホセインが勝利した。

第4試合

勝者:中野 岳(大阪ジム) 延長 判定 (2-0)

1R開始早々、意表をついたバックブローで仕掛ける松浦に対して、前蹴りで距離を作り、パンチを叩き込んで行く中野。2Rに入り、松浦が首投げでシュートポイントを獲得し、すかさずボディーへのヒザとパンチの組み立てで一気に試合を自分のペースへと引き込んで行く。対する中野は、的確に左ロー、左フックを効かせ、ジワジワとダメージを奪いに出る戦法で、4Rにはフロントチョークでキャッチポイントを獲得するが、両者あと一歩の所で決め手を欠き、試合は延長へ。延長Rは激しい打撃戦となったが、僅差で中野が勝利を手にした。


第3試合 シュートボクシングプロ公式戦 フレッシュマンクラスルール 3分×3R

勝者:歌川 暁文(スネークピットジャパン) 延長 判定 (3-0)

第2試合

勝者:ジェット・イズミ(アクティブJ) 延長 判定 (3-0)

第1試合

勝者:菊田 光正(寝屋川ジム) 3R判定 (3-0)

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