2.9『NEO ΟΡΘΡΟΖ Series1st 』 詳報

KOでSB初勝利を飾り、S-cup戦線に名乗りをあげた大野

 2月9日、後楽園ホールで開催された『SHOOT BOXING 2006 NEO ΟΡΘΡΟΖ Series1st』は超満員の観客で埋め尽くされた。
 今年初興行のメインを務める宍戸大樹には、ブラジルからの未知の強豪、シュートボクセの刺客・アンドレイ・ジダが放たれた。ジャブ、ローで距離を取りながら攻める宍戸に対し、ジダはパワフルな右フックとアッパーで襲いかかる。2Rもジダの右フックが炸裂、宍戸が凄まじいパワーでロープに吹き飛ばされ、ヒヤリとするシーンもあった。しかし、ジダのスタミナ切れからか、次第に宍戸がパンチに対応しはじめる。ローを主体に細かくパンチを織り交ぜながら、ジダを追い込む宍戸。最終ラウンドではジダが渾身の力でパンチを振るうが、無尽蔵のスタミナを誇る宍戸は攻撃の手をゆるめず、判定3-0で勝利した。だが、メインでKOを逃したことは、今後への課題といえるだろう。
 セミファイナルに登場した土井広之の相手は、キックやMMAで活躍するダスティン・ジョンソン。試合前日、ジョンソンの強い要望により急遽ヒジ打ちが認められ、通常のエキスパートクラスルールに変更となった。だが、試合開始早々、土井の必殺キラーローが炸裂。土井の左ローにジョンソンはヒジを出すヒマもなくダウン。さらに土井は、容赦なく連続の左ローを蹴り込み、わずか1R1分44秒で圧勝した。
 昨年のスランプから復帰を果たした菊地浩一と、同じくサウスポーで多彩なテクニックをもつ大野崇の対決は、ともに実力を惜しみなく発揮した熱い戦いとなった。初回から果敢にパンチとローで攻め込んでいく菊地に、大野はロー、前蹴りで距離を取りながら、伸びるジャブで牽制するが、菊地はなおも前へ出ていく。菊地のストレートが何度も大野の顔面にヒット。2Rまでは菊地有利かに思われた。しかし菊地の動きを掴んだ大野のローが次第に菊地を捉えていく。そして4R、大野が一瞬のスキをついて放った右ヒザは絶妙のタイミングできれいに菊地のアゴを捉え、大野が見事なKOでSB初勝利を飾った。
 今年の興行は全で出場、全勝したいと語る石川剛司に用意された相手は『IKUSA GP』で一躍脚光を浴びたKAWASAKI。開始直後から両者、ともに凄まじいパンチの応酬。石川のストレートがKAWASKIの顔面をヒットしはじめると、今度は積極的に投げへと移行する。ストレートを放った直後、KAWASAKIのスキをついて首投げでシュートポイントを奪取すると、さらに2Rにも1ポイントを追加。石川は最後まで攻撃の手をゆるめず積極的に投げにいき、3-0の判定勝利をおさめた。
 第7試合に予定されていた緒形健一とジョニー・エドゥアルドの試合は、計量後、エドゥアルドが倒れて救急車で搬送されたためにドクターストップとなった。代わりに急きょ、実現したのは緒形とアンディ・サワーによるドリーム・エキシビジョン。また、シーザー武志会長からは11月3日、両国国技館において『S-Cup』を開催することが発表された。今大会でアグレッシブなファイトを見せ、見事勝利した大野崇も『S-cup』戦線に浮上してきた。『S-cup』で成長を遂げた宍戸、第3、4代王者、アンディなど、実力者たちの参戦が予想されるトーナメントに今から期待が高まる。

■宍戸のコメント
「今日は自分に負けました。詰め切れないのは自分自身の心の甘さと反省しています。全体を通して、やはり自分自身納得がいっていません。今回の試合が決まってから、うぬぼれとか周りの声に関して自信過剰なところが気がつかないところで出てきていたと思います。そういうことが普段の生活も含めて全部、試合に出てしまいました。対戦相手は突進力もあり、ヒザも鋭いし、パンチも当たったら危なかった。強い選手でした。
 今日の試合、勝ってよしとすればいいんでしょうけど、自分はそういうレベルでは考えていないので。今日は内容が伴ってなかったんで。1Rは相手の攻撃を見ながらいったつもりでしたが、実際は警戒しすぎてまっすぐ正直に下がってしまいました。ローキックもやみくもに蹴ってカットされてしまった。あれが土井さんだったら、一発決まった時点ですぐに詰めて勝負は決まってたと思います。そういった点ではまだまだ先輩たちには及ばないのかな、って。普段から崖っぷちに立った練習をしていれば、もっと違ったいい結果を残せていたと思うんですが、今回は練習の時点からダメでした。これから3月、5月、7月と気持ちを切り替えて練習に取り組みたいと思います。今年は全部の興行に出させてもらうつもりです。それが11月の『S-cup』に続く道だと思っていますし。今日の反省をふまえて、もっと厳しい内容を自分に課そうと思っています」

■大野のコメント
「最初のプランから、投げも全部無視して絶対最後にはKOする、と決めてました。3回くらい『倒れるかな』ってパンチがありましたけど(笑)。(武蔵やTOMO、安廣一哉、TATSUJIなど)セコンドとギャラリーが豪華だったんで、その人たちの前では倒れられない、って思いました。いろいろと(攻撃を)散らそうと思ったんですが、途中でセコンドにヒザのタイミングが合ってきてると言われまして。結構早めに飛びヒザを狙って外してピンチになったので、1回下に散らして、ボディで何回かいいのを当てて、タイミングが合ってきたところで。ローは、足を傷めてしまって、途中で痛くない蹴り方に変えたら効果が薄くなってしまったんで、ヒザにシフトしました。今回の大きな成果は、自分の考えてるプランで最後を締められたということです。今まで歯車が噛み合ってなかったので、最後の最後にきちんと噛み合ったな、と。菊地選手は思ってたよりもパンチで来ましたね。ローで来ると思っていたので。パンチ力は結構ありました。今年は試合をいっぱいこなして、全部勝っていって、自分を100%出せるような、内容を伴った結果を出していきたいと思います。
『S-cup』に関しては、まだトーナメント枠のさらに下にいる状態。これから一戦一戦きちんとやっていかないと。でも、出していただけるなら出たいという意志はかなりあります。やらせてもらえるなら、やはりアンディとやりたいですね」

〈RESULTS〉
第9試合/メインイベント エキスパートクラスルール3分×5R
○宍戸大樹(シーザージム)VSアンドレイ・ジダ(ブラジル/シュートボクセ・アカデミー)×
※判定3-0(宍戸は4R、首投げでシュートポイント1を獲得)

第8試合/エキスパートクラスルール3分×5R
○土井広之(シーザージム)VSダスティン・ジョンソン(アメリカ/Team Voodoo)×
※1R1分44秒、KO(ダスティンは左ローキックで2度ダウン。2度目のダウンでKO)

第7試合/エキシビジョンマッチ2分×1R
緒形健一(シーザージム)VSアンディ・サワー(オランダ/Team アンディ)
※エキシビジョンマッチのため勝敗なし

第6試合/エキスパートクラスルール3分×5R
○大野崇(正道会館) VS菊地浩一(寝屋川ジム)×
※4R1分45秒、KO(顔面への右ヒザ)

第5試合/エキスパートクラス特別ルール3分×3R
○石川剛司(シーザージム)VS KAWASAKI(REAL DEAL)×
※判定3-0(石川は1R、2Rに首投げでそれぞれシュートポイント1を獲得)

第4試合/エキスパートクラス特別ルール3分×3R
○尾崎圭司(チームドラゴン)VS関本宏(寝屋川ジム)×
※判定3-0(尾崎は3Rにジャーマンスープレックスでシュートポイント2を獲得)

第3試合/エキスパートクラス特別ルール3分×3R
○ナグランチューンマーサM16(龍生塾)VS歌川暁文(U.W.F.スネークピットジャパン)×
※判定3-0(歌川は1Rに右ストレートでダウン、2Rにはローブローにより減点1が与えられる)

第2試合/フレッシュマンクラスルール3分×3R
○西脇恵一(チームドラゴン)VS 岩下雄大(龍生塾)×
※判定3-0(岩下は1R右フックで2度ダウン、2Rにも右フックでダウン1)

第1試合/フレッシュマンクラスルール3分×3R
○センカン大和(湘南ジム)VS岩見晃久(湘南大村ジム)×
※1R2分22秒、TKO(右フックで3ノックダウン)